2012年9月2日日曜日

アポロン/L・ケッセル/1977/Racing Models



1976年から1980年のF1ミニカーに限定して収集しているので、この年代のF1マシンは一通り把握しているつもりでした。Racing Modelsのサイトでこのマシンを見るまでは。

 Apollon Cosworth 1977 Loris Kessel

Apollonというチームで、ドライバーはLoris Kesselということなんでしょうが、まったく知りません。

1977年と言えば、ロータス78が登場したいわゆるウイングカー元年です。日本GPも富士スピードウェイで開催されています。実際、レースも見に行きました。この年はマイナーチームまで把握していたつもりだったのですが。

製品の解説には以下のように記されています。

The ill fated Swiss Apollon Cosworth F1 (Williams FW03 based) as raced in 1977 by Loris Kessel.

スイスのチームが、ウイリアムズの昔のマシンをカスタマイズしたマシンみたいですね。

「Apollon Cosworth 1977」でGoogle検索してみると、一番上にRacing Modelsのページがでてきます。画像検索に切り替えると、Loris Kesselのまとめサイトが見つかりました。そこに何枚かApollonらしき写真が載っています。

USのWikipediaに「Apollon (Formula One)」という項目がありました。

RAMのドライバーだったLoris Kesselが、自分をウイリアムズに売り込んだんだけど、採用されず、そのかわりに古いマシンを売ってもらった。でスイスのThe Swiss Jolly Clubに話を持ちかけて、チームを作った、という経緯のようです。改良したのは元フェラーリのデザイナーGiacomo Caliri。コパスカーとかATSをデザインした人です。なんとなく路線が見えてきました(笑)

参戦したのはイタリアGPだけみたいです。「F1全史」のリザルトページを見てみると、たしかに予選不通過の中に「L・ケッセル」という名前があります。マシン名は「ウィリアムズFW03・フォード」。これのこと、みたいですね。

念のために当時の雑誌も見てみます。「オートスポーツ」1977年11-15号です。


イタリアGPの予選結果を見ると、確かにケッセルの名前がありました。予選最下位です。1位はハントのマクラーレンM26で1分38秒08、最下位で予選を通過したのがマーチ761のP・ニーブで1分40秒52。ケッセルのタイムは1分46秒68ですから、これはつらい。ちなみにここでも表記はウイリアムズFW03。


記事本文で予選落ちのマシンたちに触れている段落でも、ケッセルの名前は出てきません。

「コパスカーF5のE.フィッティパルディ、エンサインN177のB.ヘントン、マーチ761のA.リベイロらは予選に落ち、決勝レースへの進出はならなかった。」

ケッセルは「リベイロら」の「ら」扱いになっています。

本棚を見たら1977年の「オートテクニック」もあったので、11月号を開いてみましたが、やはり予選結果以外に記載はありませんでした。「ら」すらなしです(笑)。

確かに当時のF1はプライベーターが型落ちのマシンを購入して参戦するということがよくありましたが、それにしてもFW03は1974〜75年のマシンですからねえ。ちょっと古いような気がします。

あ、でも75年ということはタイレル007と同じか。高橋国光もそれで1977年の日本GPに挑戦していますから、それほど異例ではなかったのかな。元のモデルをモディファイして、トップチームに一泡吹かそうと考えた。そう考えると急に愛おしくなってきました(笑)。

あと悩ましいのは、このマシンのチーム名ですね。高橋国光のマシンを「タイレル」に分類している以上、これも「ウイリアムズ」にすべきなのかとも悩みましたが、せっかくですので、アポロンにすることにします。

ネットで実車らしい写真を見つけたので、アップしておきます。


白黒なのが残念だなあ。

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